- くず
- I
くず【国栖・国樔・国巣】(1)記紀で, 大和国吉野川上流の山地に住んだとされている部族。 また, その村落があった地名。 奈良・平安時代, 朝廷の節会などに参賀して歌笛を奏したりした。 くずびと。 くにす。→ 国栖の奏(2)能の一。 五番目物。 大友皇子に追われて吉野の国栖に乱を避けた大海人皇子(オオアマノオウジ)が蔵王権現の化身である老人の助けで追っ手の難を逃れる。IIくず【屑】(1)無用な物として切りはなされたり, ちぎれたり, こわれたりして, 役に立たなくなったもの。
「パンの~」「かんな~」
(2)役立つものやよいものが選び抜かれたあとに残った, つまらないもの。 かす。「売れ残りの~」
(3)役に立たない人。 つまらない人。III「人間の~」
くず【葛】(1)マメ科の大形つる性多年草。 山野・荒地に自生。 葉は卵円形の小葉三個からなる複葉で, 裏は白っぽい。 秋, 葉腋(ヨウエキ)に紅紫色の蝶形花を総状につける。 肥大した根から葛粉をとるほか, 漢方で葛根(カツコン)といい発汗・解熱剤とする。 茎の繊維で葛布(クズフ)を織る。 秋の七草の一。 クズカズラ。 ﹝季﹞秋。(2)「葛粉」の略。「~をひく」
(3)「葛餡(クズアン)」「葛溜(クズダマ)り」の略。(4)「葛布(クズフ)」の略。~晒(サラ)す葛の根を掘り取って砕いたものを, 葛粉を採るために布袋に入れて水槽に漬け, デンプンを水中に濾(コ)し出す。 寒中の水を使って行う。 ﹝季﹞冬。~掘る葛粉を採るために, 根を掘り上げる。 ﹝季﹞秋。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.